本作でようやく、4月から放送されるドラマが出揃いましたね。
実はまだ初回すら見られていないドラマが何作かあるものの、
いろいろ見ていく上で、登場人物や物語に愛着が湧いてしまうような、
どっぷりのめり込んでしまうような作品がほとんどないなぁ…
もしかして今期って不作…?(汗)なんて印象を抱いていた分、
ここに来て「残り物には福がある」という言い回しが
しっくり来過ぎる作品に出会えた感じです。
初回では、郊外で母親と2人で暮らすサチ(清野菜々)、
田舎で祖母と2人で暮らす若葉(生見愛瑠)、
そして都内で1人暮らしの翔子(岸井ゆきの)の住まいも境遇もバラバラの3人が
ラジオ番組主催のバスツアーで出会うまでが描かれました。
この手の日常を取り扱った題材で、登場人物を深く知るであろう”境遇”については
正直まだ不明瞭な部分も多く、あくまでもサラッと触れる程度ではあったんですが。
それでも、清野菜々さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さんのお三方の自然体な演技や、
映画風の落ち着いた雰囲気の中で引き立つ会話劇、
現実世界で私たちが抱えている複雑な気持ちを
スッと代弁してくれているかのような台詞紡ぎのお陰で、
ああ、この人はきっとこんな生きづらさを抱えているんだろうな…というのが
徐々に感じ取れる作りになっており、
これらの要素が、冒頭で書いた「登場人物や物語に愛着が湧いてしまう」
「どっぷりのめり込んでしまう」理由に繋がったのではないかな?と思います。
髪の毛もボサボサで、夢も希望もとっくの昔から諦めてそうな生気のない顔で…な序盤から、
2人と出会ってからは心から楽しんでいるのが伝わってくるサチの変化も、
話を聞いてくれる相手がいるのがめちゃくちゃ嬉しくて、ついつい会話が弾んでしまう翔子も、
「楽しい事があるとキツい」という本音も…とにかく刺さる所はたくさんあったんですが、
中でも一番刺さったのは、終盤でのLINE交換を断ったシーン。
個人的には、う〜ん分かる分かる…あるよなぁ…と。
私の場合は本作とは違って、どの学年でも履修出来る大学の選択授業のグループワークで
初めて(同じチームの)後輩と仲良くなれたって感じなんですが、
LINE交換をしたは良いものの、学年も専攻も違うから会う機会が少ないし、
おまけに自分から積極的に話しかけられない性格なのもあって
連絡はそのうちぱったり…で、そんな当時の事を思い出しながら見ておりました。
あともう1つ考えさせられたのは、
その人に元々、LINEで気軽にやり取り出来る友達が多くいて
新たにLINE交換した人と疎遠になるのと、
やり取り出来る友達が少なくて疎遠になったのとでは
心に与えるダメージも大分違うんじゃないかなぁという事。
本作の3人はきっと後者側で、学生の頃は友達もある程度いたにしても、
上京や仕事や家庭といった様々な理由から
連絡が取りづらくなって…なんだろうと察せられます。
ぽっかりと空いた孤独を描くシチュエーションは今までの作品でも見てきましたが、
LINE交換をする事で「一緒にいて幸せだと思える相手と友達になれて嬉しい!」みたいな
ハッピーエンドに持っていくのではなく、
「交換した所で…」と思えてしまう”苦い現実”を描いてきた辺りに、
視点の新しさを感じさせて中々興味深かったです。
しかし、「交換した所で…」なラストにはなってしまったものの、
解散してからも翔子や若葉がサチの方法を実践しているのが分かって、
そこだけが救いでしたね。
影響されるって事は、3人と一緒にいられて楽しかったって証拠ですもん。
サチの職場のドアが閉まって終わったシーンはまさしく
「楽しい事があると辛いから、それに蓋をして生きる」彼女の心境を思わせて切なかったですが…
日常ベースでもフィクションの世界だからこそ、
最後には”開かれる”ラストになる事を願いたいです。
前期でも他局で仲良し3人組を取り扱った作品がありましたが、
本作の3人組も初回の時点で「好き!」になってしまいました。
また、「日曜の夜ぐらいは…」というタイトルに相応しい内容だったと思います。
明日から月曜日で、「また仕事の日々が始まるのかぁ〜…」と落ち込む多くの社会人が
何とか乗り切ろうと頑張れる、”一番高いアイス”的ドラマ。
岡田惠和さんの脚本は、影を抱えながら生きてきた人が
ちょっとずつ光の方へと向かう作風が特徴だと考えているので、
今回のコンセプトでその作風が最大限に活かされるんじゃないかと期待しておりましたが、
いやはや、期待以上の仕上がりでした。
最後に、正直言ってしまうと…今期は日曜日に良いドラマが集結しちゃっていてねぇ。
まだ初回しか見られていませんが、裏のドラマとは今期1,2位を争うくらいなんですよ。
(↑感想は書きかけなので、完成次第しれっと上げます。今後書き続ける事もまだ諦めてません^^;)
正直言えば、金土日で1本ずつバラけて欲しかったなぁ…の気持ちでいます(笑)
Source: りんころのひとりごと。
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