いろいろと、捻りなく進めてきたなぁ…という印象です。
中でも「そこ、そのままの真相なんですね…」と思ったのは、
鴨井の息子・文哉(味方良介)が泰生(白鳥晴都)を突き落とした犯人だった事。
しかも犯行動機は、真面目な人が損をする社会背景から来ていたというのが、
個人的には、今まで引っ張ってきた見せ方と釣り合わないのかなぁと言いますか。
本作の舞台である政界を絡めれば、文哉の証言で「突き落とすよう唆した人物」が
新たに発覚して人間関係をさらに複雑にさせる事や、
“忖度”だらけの世界だからこそ、彼は罪を擦りつけられた1人だった…(犯人は別にいた)
なんて展開に出来たかもしれないのに、
その設定が真相に一切絡んでいなかったのが、
ちょっと盛り上がりに欠ける気がしてしまったんですね。
彼の話を聞けば気持ちも分からなくはないんですが、
危機的な状況に陥れば、鴨井(片平なぎさ)から大金をもらえる立場で。
そして、結局自首もせず、自身の行動でまた”母”でもあり”大臣”でもある鴨井に
迷惑をかけているにもかかわらず「母さんを守りたい」発言は…??で、
キャラ描写にもモヤモヤ。
親子で和解したようなので、ここはもう解決するんでしょうけど、
2人の美談をそばで聞かされた可南子(井川遥)がどんな想いでいたかと想像すると、ね…。
しんみりした劇伴含めて、人情味たっぷりで終わったこのエピソードも、
“復讐劇”としては正直、腑に落ちませんでした(汗)
もし仮に享(草彅剛)も2人の一連の話を聞いていたら、
「その私情で、下手したら泰生は命を落としていたかもしれないんだぞ!」と
感情的に訴えるシーンもあったのかもしれません。
でも、そのシーンがなかったのは、享は今代議士になっていて
永田町のボスとの戦いに集中しているからなんですよね…。
その戦略で忙しいからなのか、当初は「一緒に闘おう」と誓っていた可南子と
連携が取れていないのも気になって。
例えば、鴨井が辞任会見を行う事は、享と可南子だけが知っていた…という
鶴巻(岸部一徳)に一気に大打撃を与える”手段”として魅せていれば、
どんでん返しの演出に繋がったと思うんですけど。
実際は享は全然聞かされていなくて、
そんでもって、自分が用意していた奥の手が
「鶴巻が実は体調を崩していた」のが分かる写真だった…ってオチも弱過ぎました。
うーん…何だか、前回から”復讐劇”ならではのずる賢さや華麗さが不足している内容が続いて、
失速している感は否めませんね。
享の復讐のきっかけになっていた、息子を突き落とした犯人が分かった所で、
残り3話でどうやって話を膨らませるのか…と思ったら、
どうやら次回は虻川(田口浩正)が再登場するようで。
逆襲編もぼちぼち開始するんでしょうか。
享が微かに悪い笑みを浮かべた次回予告のラストシーンは
「銭の戦争」の最終回を想起させて、ここもなぜそんな状態に至ったのかも気になります。
それが鷹野(小澤征悦)関連なのか、竜崎(高橋克典)関連なのかは分かりませんが、
次回こそ”罠”であっと言わせる(言わされる)内容になる事を期待します。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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