公式サイトのイントロダクションの一部を抜粋すると、
「『ロミオとジュリエット』をもほうふつとさせる」とは書かれていて、
劇中でも触れられてはいるんですけど…
本作、その関係にすらなれていないように見えるんですよねぇ。
ドラマ上で時々描かれる「ロミオとジュリエット」みたいな関係性は、
本来、お互いが愛し合っていて、もっと近づきたいと思いながらも、
自身と相手の身分の違い、自身の生まれ育った環境が恋愛の”足枷”となって
すれ違いが起こってしまう事から生まれる切なさを表現するものだと思っていて。
禁断の恋だと分かっていながらも、それでも大切な人を愛する気持ちを優先する
直向きさも描かれて、初めてこの手の題材は盛り上がる気がするんです。
でも…本作の場合は、蛍(菜々緒)が悟郎(鈴木伸之)のどちらかが
相手の正体を察してしまっている訳でもないし、
その上、蛍は悟郎に愛想を尽かしていて、離婚するつもりでいる。
肝心の”すれ違い”も、自身の秘密を守るが故についた嘘で、相手を傷つけてしまったり、
誤解させてしまったり…から来ているってよりかは、
悟郎の生活態度に完全に落ち度があるという感じ。
2話まで見ても、蛍、何にも悪い要素が見当たりませんもん(笑)
夫婦を描くドラマだから、最終的にはハッピーエンドにはなるんでしょうけど、
離れないで欲しい…と焦ったい気持ちにさせられるどころか、
彼みたいな人とはもう別れた方が良いんじゃないの?と視聴者に思わせている時点で、
残念ながら、「ロミオとジュリエット」は成立していないと思います…。
そして、微妙に感じる所は、やはり忍者パートの物足りなさにもありますね。
今回に至っては、前回の話の流れで
甲賀忍者の足取りを追うよう命じられた伊賀忍者たちの様子が描かれたくらいで、
残りは、忍者とは無縁の「仲直り作戦」や元カノの出現を描いて終わりっていうのは…(汗)
失礼だとは重々承知しているんですが、
作り手から「表の顔は薬剤師or郵便局員で、裏の顔は忍者である”二面性”を魅せよう」
という意気込みが感じられないのが気になります。
原作は…もっと忍者要素はあるんですよね?
あとは、前回の感想でも似たような事を書きましたけど、
特殊任務を任された所で終了し、次回へ引っ張るという構成も
止めた方が良いんじゃないかなぁと。
一週間お預けを食らわせるのではなく、やっと忍者の姿が見られる!とワクワクさせたまま
裏の顔を1話内で描ききってしまった方が、
本作のコンセプトが何なのかも分かりやすいし。
ギャップを味わえて楽しい一方で、”普通”を装いながらも正体がバレてしまいそうな
緊迫感みたいなものも同時に感じられて、2つの意味で見応えに繋がると思うんです。
作りようによっては面白くなるはずなんですけどねぇ。
コメディが得意な演出家がいたら…同じ原作者なだけに「ルパンの娘」スタッフだったら…って、
ついついタラレバを言いたくなってしまいますね。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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