なるほど…晴子(末成映薫)が再会を心待ちにするほど
武志(草彅剛)がおばあちゃん子だったのにも、ちゃんと理由があったんですね。
おばあちゃん世代だと同性愛を理解するのが難しい人が多そうな分、
晴子が視野の広い人だったのは珍しいです。
「自分が生きやすい人と生きやすい場所で生きてったらええ」
その言葉が当時小さかった武志を突き動かし、
アメリカで生活すると決めたきっかけになったのかもしれない。
そして、ビザが切れて不法滞在扱いになってしまった事は不本意ながらも、
きっと本人はそこに居心地の良さを感じていたのだろうなぁと…
そんな風に思わせるエピソードでした。
小さい頃の思い出は、松戸家にも根付いていて。
150キロの球を投げると言い出したインチキ父さんの話も、
タイガースの制服を着て、風船を飛ばしながら試合を見ていた
あの頃も記憶に残り続けていました。
時間が経てば経つほど、もうダメだ…と最初は思い込んでいたものが、
それでも「やり直してみたい」とアクションを試みた結果、
家族再生という名の”奇跡”が起こり始める…という展開を
壊れていたラジカセと絡める形で描いていったのも、中々洒落た見せ方でしたね。
何度やっても閉まらないカセットテープが、父親になりきれていなかった事から長年目をそらし続け、
意地を張り続けていた平造(風間杜夫)自身と重なっても見えました。
諭(仲野太賀)がマスクを被る野球選手を演じ、
武志はそんな彼に自分の想いを託すかのように窓から必死に見届け、
兄弟の意思が合致している裏では、夫婦が2人で「六甲おろし」を自然と歌い始める。
自分を見つめ直さなければ、家族と向き合おうとしなければ起きなかったであろう
数々の奇跡が線となって一気に繋がっていく流れには、思わず胸を打たれてしまいました…。
100マイルのくだりが意図的に引っ張られたのにはもどかしさがありましたが、
野球選手じゃない限りさすがに飛ばせないと思うので。
諭の直向きさを見てショーンが何かを感じ取る…という着地点になるんでしょう。
そして、ショーンも今回の事が、大人になって楽しく振り返れる”思い出話”に変わる。
最終回、果たしてどんな結末を迎えるのか気になりますね。
(9話時点での)諭の最新出演作「シン・ゴジラ」は調べてみたら2016年の作品との事で、
初回で有村架純さんが登場した「ひよっこ」は2017年の作品なので、
終盤では”その後”として、初回の内容を再び掘り起こしてくれるような展開も
あるんじゃないかとついつい期待してしまいます。
現朝ドラにも触れるかどうかは不明ですが、
諭の半生がテーマとなっている以上、少なからず、未来の話はちょっとでも描いてくれそう?
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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