近年の遊川作品の傾向を考慮すれば、本作も駆け足気味の
綺麗なハッピーエンドで終わるんだろうなぁ…とは思っていましたが、案の定でしたね。
チカラ(松本潤)の成長も、住人たちのトラブルも、家庭内での悩みも、
何もかもやんわりで片付いてしまった原因はただ1つ。
個人的には…前回から越してきた新居人のエピソードは要らなかった気がします。
というか、新居人の存在自体が。
チカラの変化を感じさせる集大成的なエピソードを盛り込むんだったら、
(それでも多少駆け足にはなるけれども)まだまだ山積み状態だった住人たちの問題に
新たな方法で向き合っていく展開か、
灯(上戸彩)に宣言した通りに、住人たちよりも子供たちの悩みを優先する形で
実行に移す展開にした方が良かったんじゃないでしょうか。
じゃないと、前回でのシーンがまるで意味ないんですよね…
悩みを話せないまま子供たちの世話を丸投げされた事に腹が立っていたのに、
今回でも、小日向(藤本隆宏)の動機を心配するばかりで
我が子が襲われないかという不安な気持ちが働いている様子は見えない。
(悪の方に寄った動機にも、やって良い事と悪い事の線引きはあるし…)
でもって、友達付き合いでつまづいていた愛理(鎌田英怜奈)も、
勉強に興味が持てなかった高太郎(大平洋介)も、
ふわっとしたアドバイスか積極的に関わる事のないまま解決。
で…最後はまた、決意表明のシーンでしょう?
似通ったくだりをやるんじゃあ、また口だけじゃないのか?
なんか具体性のないまま終わってないか?と思えても仕方ないんですよね。
そのシーン自体にしても、今までで両親への確執がじっくり描かれた上で、
毎回父に投げかけるモノローグから始まる流れだったんならグッと来たんでしょうけど…
あまりにも唐突過ぎて引き込まれず。
まるでミュージカルを見ているみたいで、逆に笑えてきてしまいましたとさ(苦笑)
あとはまぁ…前回の感想と被りますが、
住人たちが自己中であるという印象を前々回と前回で強く与えてしまったために、
最終回で”チカラに影響を受けて”問題に向き合うようになった…
とは映らなかったのも大きな欠点でしたかね。
せっかく個性的な登場人物や、現代社会を連想させるテーマを扱っているのに、
全て宙ぶらりんにしてしまった…そんな典型例を見た作品だった気がします。
そして…いくらファンタジーな世界観でも、
警察や弁護士など法的な機関が一切存在しないのはどうなの?という
受け入れがたい気持ちの方が勝ってしまうのは、私の頭が固いからなんでしょうかね?(滝汗)
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