根津(溝端淳平)と派遣職員・彩(松本妃代)、恭平(新原泰佑)による3つの親ガチャ問題。
要素を盛り込み、群像劇仕立ての作りが強まったが故に、
主要人物である根津の父に対する静かな恨みが
椛谷(野間口徹)による台詞のみでやや片付けられた感は否めなくもないですが、
相手の心を尊重し気遣えるようになった凛々子(黒木華)の言葉で救われた
というのが頷ける溝端さんの涙を溜める演技が特に印象的で。
その後の彩のパートでの”闇雲に否定しないたった1人の存在”も含めて、
どこか兆しが見え始めたかのような、爽やかさの残るお話になっていたと思います。
ただ、”親ガチャ”という今時らしいワードを扱っているだけで、
俯瞰的に見れば”嫉妬”がテーマの昔ながらの内容…とも言えるんですよねぇ。
一応、SNSへの投稿やネット上での噂などを強調する形で、
「ネットニュースを扱う作品」としてそれなりに本作らしさを保ってはいたものの…
強いて言うなら、家族関係(?)のネットニュースを興味本位で読み、
その記事で偶然 悪意や偏見満載のコメントを見かけた過去があっただとか、
出来心で「親ガチャ」を検索し、間違った情報をずっと鵜呑みにしてきただとか、
今の彩に通ずる”歪んだ正義感のルーツ”みたいなものを
もっと”ネットだからこそ”の描写で表していったら、
彼女の言動にも深みが増していたのかもしれません。
あと、恋愛要素に関してはねぇ…
本作のジャンルは社会派じゃなくてあくまでも社会派”風”だから、
恋愛要素も取り入れて何でも自由にやろう!って所なんでしょうけど(苦笑)
終盤の方があそこまでドラマチック寄りの演出になると、
まるで2010年代前半の月9かのような、別作品を見ている感覚に陥ってしまうんですよねぇ。
1人1人の心情にスポットを当ててチームワークを作っていくという今までの積み重ねがあり、
それが本作のお仕事パートの面白味に繋がっている…
で、実際に前々回から形も定まってきただけに、
ここで露骨に恋愛を押し出されると噛み合ってないように感じるのです。
個人的にはそこそこ好感を持って見ている作品なのもあって…実に勿体ない。
凛々子が人の気持ちを分かる段階にまで来ているのは事実。
そして、根津を始めとした面々も、
あの会社で仕事する事に少しずつ、やり甲斐や居心地の良さを見出せている。
だからこそ、何も恋愛感情という安易な方向に走らなくても、
仲間という関係性だけでは片付けられない”特別な感情”みたいな曖昧な表現に落とし込んで
視聴者に悟らせるくらいで良いと思うんですよね。
まぁ、恋愛を絡めなくたって十分面白いのに…というのは今の月9にも言える事ですけど(汗)
(↑でも最新話はそこまで気にならなかったかな?)
↓7話の雑感はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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