血の轍115話のネタバレを含む考察となります。
※本編ネタバレを含みますのでご注意下さい。
父親の容体の変化で連絡が来た静一。
亡くなってしまいました。
葬儀など何も分からずに一つ思い出します。
父親が言っていた引き出しの話。
そして入っていた手紙を確認すると「しげる一家への損害賠償」など知らない事実。
お父さんは目を逸していた訳じゃなかったのだと分かりました。
最後にかかれたママの連絡先。
中年の静一編も一気に状況が変わって動き出していきます。
それでは血の轍115話を考察していきます。
死んだ父を見て何を思う
死んでしまった父親。
この父を見て、その後に空を見て、なんとも空虚な表情。
「無」
ってことなのかもしれません。
少なくとも涙一滴流さないことから考えても静一の中での父親という存在は有っても無くても同じなのでしょう。
両親はなんだかんだで子供に強烈な影響を与えるものです。
この静一を見ていると、上手くいかなかったのだろうというなんとも言えないやるせなさを感じてしまいます。
父の部屋で手紙を見つける
葬儀屋が今後の手続きの話をします。
お金もかかることなので一先ず遺体は父の部屋へ。
そして今後の葬儀についての話ですが、それは静一が父の最期の言葉を思い出して引き出しを開けます。
そこに入っていた通帳と印鑑、そして封筒の現金に手紙。
この手紙が泣かせるというか、静一が止まった時間を無為と言える中で過ごしていた時、父親の時間はしっかりと流れていたことを感じさせるものでした。
損害賠償は8000万円
基本的には謝罪でした。
そして全て自分のせいだと父親の手紙には載せられています。
一つ衝撃だったのが「しげるのことに対する賠償金」です。
殺人における損害賠償を補填してくれるような保険などありません。
(自動車事故は別ですが)
その金額がなんと「8000万円」でした。
それを父親は何とか一人で完済しきっていたのです。
これだけでも物凄いことであるのは分かるかと思います。
何となくですが、さだまさしさんの「償い」が脳裏に過ります。
(こちらは轢き殺してしまった男の償いが歌になったもので、とても有名です)
完済してあるから、静一は自由だという父親の手紙。
一体どんな心境でこれを書いているのでしょうか。
ただそれでも一滴の涙すら出てこない静一です。
あの時、あの裁判所で、完全に静一の心は失われてしまったということ。
ただ手紙には続きがありました、これが静一の今後を左右しそうな状況に追い込みます。
まさに止まっていた時間の動き出しです。
ママの連絡先
父親としても本当の静一の心が読めなかったのでしょう。
会いたくないと言いながらも実態はどうだったのか。
父親から見ていてもママにべったりな静一なのは分かっていたはずです。
マザコンと言ってしまっても間違いではないはずです。
父親としては息子の本心が分からない以上、自分が死んだ時にママとの連絡方法が完全に消えることを防いだのでしょう。
この状況でママの連絡先を知ってしまった静一。
完全に今まで止まっていた時間が動き出す展開となりました。
「お父さんが死んだよ」
その一言、話をする、連絡するきっかけを手にしている静一。
逆に言えば、このタイミングを逃せば次は存在しないと言えるでしょう。
「ただ生きる」
何となくコペルくんを思い出しますが、それよりも遥かに陰鬱な静一の心。
現在の状態からの脱却はどう考えてもママとの決着を見ない限りは不可能です。
静一の精神はママに会うことでどう振れていくことになるのか。
破滅に向かう可能性だって十分にあるでしょう。
中年の静一編も劇的に面白くなってきました。
次回、血の轍は2月25日発売のスペリオールにて連載されますのでお見逃し無く!
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Source: マンガ好き.com
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