お…面白かった〜!
白線の真ん中まではみ出して駐車している、危なっかしさ漂う冒頭のシーンから、
5分くらいでもう本題に入るのも掴みとしては抜群でしたし、
数話分の内容を1話で展開するもんですから、
最後までドキドキしながらあっという間に見られました。
第三者から見たら「いやいやなんで嘘つくの」「早くお金返そうよ」と
ツッコミたくもなってしまうんですけど、
夫婦の気持ちもちょっと理解出来てしまう自分がいたんですよね。
例えば、義光(青木崇高)が結局お金を警察署に渡せられず、
家に持ち帰ってきて息子・純一(味元耀大)に嘘をつくくだりなんかは、
なんでそこで嘘ついちゃうの…
っていうか、息子も一緒に行って自ら警察に謝った方が
罪が軽くなったかもしれないのに…と思いつつ、
同時に、あの時を思い出させてトラウマになるのを防ぐ、息子のためでもあるんだろう
というのは察せられますし。
警察が家に押しかけてきて、報告出来るチャンスを完全に逃した祐子(安達祐実)も、
あ〜あ…と思いつつ、自分は捕まりたくないからと
自己保身に走ってしまう彼女の心理も分かってしまうのです。
根拠のない「自分は大丈夫」という自信がついてしまうのは、手元に大金があるから。
3000万という数字は絶妙で、非現実的ではあるけど億以上の並外れたものではなくて、
あったら嬉しい、家計においても助かる金額なんですよね。
だからこそ、2人は得たチャンスを失いたくなくなってしまう。
嘘に嘘を重ねてしまっている罪悪感に、
この大金を返して面倒事から逃れたい理性的な自分と
大金に手を染めて楽に過ごしたい本能的な自分とで葛藤しているWのストレスで、
ロールケーキを貪り食べる裕子の姿が印象に残りました。
かつての栄光もなくなり自虐的に生きている義光と、
言いたい事をはっきり言えず、理不尽な日々に慣れようとしていた祐子が
大金と出会って一転、弾け散らかしているロック調の音楽とともに
表情が生き生きとし出すラストも、
お金は人を狂わせるというのを突きつけられたようで恐怖さえ感じましたね。。
本作は、海外では一般的なWDRプロジェクトという、
複数の脚本家が集まって、役割分担をしながら共同執筆する手法をとっています。
初回はスピーディに展開していきましたが、この枠では珍しく、全8話と長めです。
なので、そうなってくると、新キャラ(事件関係者)の登場や新たな事件・騒動の勃発、
あとは新事実と、話をあちこちで膨らませる可能性は当然ある訳で…
本作が最終的に面白いと感じられるかどうかは、
作風に慣れてきた5話以降にかかっている気がします。
とにかく初回は、期待して良かった…と思える出来でした。
次回以降も今回のような、人間の愚かさや浅ましさを突きつけ、
ハッとさせられる内容が続いていく事を期待します!
Source: りんころのひとりごと。
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