生きづらさを抱える人に救いの手を差し伸べるドラマをNHKに作らせたら、
もはや安心・安定感がありますね。
全体的に落ち着いたトーンで物語が進み、視聴者が登場人物のその時の感情について
考えてしまいたくなる間(ま)はきちんと用意されていて、
一方で、優しくピュアな曲調の劇伴は、時が経って忘れかけていた
子供の頃のワクワクした気持ちを思い出させてくれるかのよう。
またしても、上質な作品になりそうです。
空はなぜ青いのか?という問いに対する解釈が人それぞれで、
みんなで囲んで検証してみる光景は特に、
かつて同局で放送されていた「ここは今から倫理です。」を彷彿とさせました。
もう記憶も鮮明ではありませんが、
最終回の主な内容が、教室で”授業”として設けたグループ対話で、
それぞれが自分なりの考えを発言して、徐々に話し合いに熱が帯びていく様を
時間をかけて見られた事が斬新だったのを覚えています。
主人公である教師・藤竹(窪田正孝)は基本淡々と、飄々としていて、
感情をあまり表に出さない所も何となく似ています。
なんでその作品名を挙げたのかというと…要は、本作も好みかもしれないって事なんですよね。
今回取り上げられた生徒は、ディスレクシアという、
読み書きに困難を感じる障がいを抱えた岳人(小林虎之介)。
前期視聴していた「ひだまりが聴こえる」でもそうだったんですが…
やっぱり、小林さんの感情の演技には胸を打たれるものがあるんです。
怒りや悲しみをぶつける時の真っ直ぐな目が、光が当たってより鋭さを増す目がとっても良い。
目の奥に常に輝きが見えるんですよね。
だから、本気で怒っていたら、こちらもしっかり受け止めようって気持ちになりますし、
本気で泣いていたら、一気に涙腺にきて泣きそうになってしまいます。
読み書きが苦手なのには理由(名前)があると知ったら、
自分のせいじゃないと分かって安心だろう、
病気を理解したらあとは一歩ずつ前進するのみだ…と前向きに捉える人もいるでしょうし、
第三者である視聴者もポジティブになって応援したくなるけれども。
当本人はきっと、周りに追いつこうと、親に迷惑をかけないようにしようと
頑張ってきた努力だったり、不安や焦りと闘ってきたこれまでの”人生”が、
「障害」の2文字でサラッと片付けられた事で、
無駄だったと言われているかのようで辛かったのだと想像出来ます…。
「俺は…怠けてた訳じゃねぇ。努力が足りなかっただけだ。」と
自分を責める言葉が、苦しかったです。
空はなぜ青いのかの実験風景は、そう言えば、学校の実験の時間はいつも楽しかったよなぁ…と、
子供の頃を懐かしみながら見ておりました。
「数が苦」であり「科が苦」だった私からしたら、何かに対する純粋な興味や向上心が
そのまま”青春”に繋がっていく生徒たちが羨ましいですし、キラキラと眩しく映ります。
夜の時間帯で、落ちこぼれた人たちが集うという
負のイメージを持たれがちな定時制高校だけれども、この教室では明るい光が灯っている。
生徒たちにとって、藤竹と出会えた事は人生の宝になるだろうなと…
1人1人が悩みと向き合って、少しずつ変われた先の展開が楽しみになる初回でした。
最終回は泣いちゃうんだろうなぁ…。←もう最終回の話をしている人(笑)
Source: りんころのひとりごと。
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