初回こそ、前半部分は某作品が過って集中しづらかったし、
前回は新メンバー追加の話で、少し重ねて見てしまう部分もあったけれど。
今回で、それとは別作品である事が確信出来る内容に仕上がっていたと思います。
個人的には、うたカフェ店主・二朗(西田敏行)の存在が大きいと言いますか。
西田敏行さんの滲み出る雰囲気や人柄あってこそのあの役ではあるんですが、
第一線で活躍してきた俊平(西島秀俊)や
まだまだ伸び代のある若手団員の間を取り持つバランサーとして、
役割を明確にさせているんですよね。
本作に出てくる登場人物は基本的に、壁にぶつかったり、軋轢が生じたりなどで
トゲトゲした気持ちを抱えながら生きる者たちが多い。
それを、二朗がなだらかに解し中和させてくれて、
その上で、次のアクションに繋がるきっかけをさり気なく提示してくれる。
実際に例を挙げるとすれば、二朗から「…じゃどうすんの?尻尾巻いて、退散すんの?」
という言葉を投げかけられなかったら、あのゲリラライブの成功も、2人の不協和音の解消も、
娘に諦めず向き合おうと決心を固める俊平の変化もなかった訳で。
彼なしでは話の方向性が大分違っていたと言ってもおかしくないくらいには、
物語上で欠かせない人物になっているように感じます。
あとは…これは初回から思っていた事ではありますが、
恋バナの描写がないのが、スッキリしていて見やすいのかなぁと。
本作の主軸は「親子の絆と人生の再生」だから、当然、俊平と響(芦田愛菜)の動向に
フォーカスが当たった内容になりますし、
俊平と団員とで歳がまあまあ離れているから、あくまでも”先生”と”生徒”の関係性に留まって
恐らく恋愛には発展しづらい(若干の偏見が入ってすみませんが…)。
団員たちの間でも、今の所は見受けられません。
某作品はそこさえなければという感じだったので…って、比較はもう辞めにしましょう(苦笑)
とにかく、二朗の存在と各々の直向きさをじっくり描く作風が、
本作のうたう「ヒューマンドラマ」を着実に作り上げているのではないでしょうか。
大輝(宮沢氷魚)と蓮(佐藤緋美)による不協和音の解消に至るまでの経緯も
丁寧で、かつしっかり描かれている所も良かったですねぇ。
大人の事情的には、売り出そうとしている二世俳優同士の見せ場を作る
意図も含まれているんでしょうけど、まぁそれは置いといて。
道の駅に突然、天才指揮者がオーケストラを引き連れて演奏!?っていう
シチュエーションだけでも面白いのに、
俊平が禁忌とも言える楽譜のアレンジをし、2人のみの「第二楽章」の演奏を提案した事で
彼の奮闘ぶりが伝わってきたのはもちろん。
晴見フィル全体、家族全体が今後、
固定観念を探し、壊してみて、模索しながら少しずつ前進していく…
そんな今後の物語の方向性も見えてくるエピソードだったと思います。
「山登りとおんなじです。楽譜を読む事も、楽器を奏でる事も、
一歩一歩目の前の音を楽しんでいれば、
気づいた時には小高い丘の上にいて、麓に広がる美しい村が見えます。」
富士山の大きさが目を引くロケーションにぴったりなこの台詞が、
今回の内容を象徴しているようなものでしたね。
今回は、俊平に、響に、天音(當間あみ)に、大輝と蓮に…それぞれの一歩を描いた回でした。
しかし、唯一惜しいというかまだ乗り切れていないのは、
響が俊平を頑なに拒む理由がイマイチ読めない所。
どうやら次回で明かされるようなので、あそこまで嫌な感情を向ける彼女の心境に
納得出来るものであって欲しいですね。
初回で事故のシーンが挿入されていたのを踏まえると…
本当は音楽を続けたいのに、一般人には分からないほどの後遺症を負っているが故に
諦めざるを得なかったとか?
そうしようとしている時に父が帰ってきて、幸せそうに指揮をとる姿に嫉妬&葛藤し、
本心に触れられては父の前で弱さを見せ始める…みたいな事情が描かれたとしたら、
彼女に一気に感情移入して泣くかもしれません(笑)
とりあえず、来週を待ちます。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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