悪くないけど、もっと弾けられそうだなぁ…とも思えた初回。
知的財産の専門用語や、それを解説する際の台詞も説明臭くなく、
一言ですらっと頭に入って来やすい工夫は施されているし。
情報漏洩の真相も、最初は「ええ〜、社長なのに??」とは思ったものの、
その後でのパネルやCMなどから、基本的に目立ちたがり屋だから
何か嬉しい事があると自慢もしたがるんだろう…という
増田社長(赤井英和)の性格が察せられて
まずまず納得出来るオチにはなっていたので、決して微妙とは言わないんですけど。
でも、惜しい描写が所々にあるような?そんな印象が残る内容でした。
個人的に一番気になったのは、社内での知的財産の認知度に関する描き方です。
まぁ、気にし過ぎだとツッコまれそうですが…
亜季(芳根京子)のような若手社員が…なのはまだ分かるとしても、
ペットボトルの開発もするという特許が最も必須となってくる業種で、
しかも”世に出す”販促活動をしている営業・松尾(高橋努)が
知的財産が何なのかを知らないって事はあるんだろうか?という所に
少し違和感を覚えてしまったんですよね。
初回の時点では、ドラマでたまにやりがちな
「専門用語に疎い視聴者に詳しく説明するために、周りの人物をあえて視聴者と同位置に描く」
手法を序盤だけで済ませていたので、そこはマシだったんですが。
もし今後、北脇(重岡大毅)のエリートっぷりを引き立てようとして
“知らない社員たち”を度々強調して描く事があれば、
かえってリアリティに欠けて、伝えたいものも伝わりにくくなってしまうんじゃないか…と
不安にはなりました。
そして、情報漏洩の原因を特定するまでの描写過程もそう。
冒頭にも書いた通り、犯人が社長であるのには納得しているんですが、
その証拠を探し出したタイミングにはあまり納得出来ていないんですよねぇ。
具体的に書くとするなら…
社長の講演会、社内の誰も聞きに行っていなければ、特集記事も読んでいないの?という事。
(勉強も兼ねて行かされる新人はいるんじゃないかとは思いつつ…)
あの講演会が外部の人間のみに向けてのものであれば話は別ですが、
特集記事は社内での情報共有・今後の企業方針の認識のために
多くの社員が目を通してそうな気がして、それを決定打とされた所には
うーん…?とは思いましたね。
ここまで微妙な点を長々と書いてしまいましたが、本当、悪くはないんですよね。
テーマに絡めて、ボトルのきゅるんきゅるんな構造=亜季が最もこだわった所 を
真っ直ぐ見てくれていたのが、作り手自身が認められているようで
小さなカタルシスに繋がる展開は良かったんですけど、
肝心の、そこまでに至るストーリーに入り込みづらい…という感じなんでしょうか。
他にも、亜季の内気な性格に合わせているのか、知的財産を題材としている割には
演出や雰囲気が全体的にまったりしていて(水10にしては)パンチが足りないかなぁ?とか、
警察の取り調べ受けてるの!?と思えるくらいには
社内の空気がギスギスしているなぁとか、いろいろ気になる事には気になるんですが。
でも、次回以降もどうやら「月屋野ドリンクvsライバル会社」の構図を一貫して描くようで、
もしかしたら、商品を守るために一丸となって奮闘していくにつれて、
少し自信のなさげな亜季も、ザ・合理主義で思いやりが欠けている北脇も、社員たちも、
自分の仕事と作り出してきた商品に誇りを持ち、強くなる…
そういった成長物語も、裏テーマとして同時に描いていくのかもしれませんね。
そんな感じで、残念ながら期待していたほどではなかった…とは思いつつ、
ほんの少しの可能性も感じさせた初回ではあったので、
しばらく様子見し続けてみるつもりです。
Source: りんころのひとりごと。
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