見終えてからの第一声は、お、おう…といった感じ。
王道の作りではあるから、演奏も大成功して
ハッピーエンドで終わるんだろうなぁとは読めていましたし、実際そうはなったんですけど。
う〜ん…何と言うか、玉響で目指してきた目標(=物語の着地点)が
本来のテーマだった「ポンコツオーケストラの立て直し」というよりかは、
「こけら落としで勝利を収める事」に挿げ替わっているような気がして、
何だか駆け足で終わってしまった感の残る最終回でしたね。
元々玉響の存続がかかっている対決だったので、
今後も大好きな仲間たちと音楽をやれると分かって、凄く嬉しくなったはず。
個人的には、◯年後に飛ばす形で、後日談も少し見たかったなぁ…と思ってしまいました。
本番が終わって、各々が家族や恋人と会うシーンで
クレジットが流れ始めるのも「えっもう!?」なんて驚きましたけど。
まさか…初音(門脇麦)と朝陽(田中圭)が帰り道で手を繋ぐシーンで終わりだなんて
思いもしないじゃないですか(笑)
例えば、1年後に飛んで、初音が身支度でバタバタしている姿が描かれて、
家を出た後に映った玄関前には
こけら落としの時に撮った記念写真が額縁入りで飾られていた…
そんなラストの方が、今も同じ場所で同じ仲間と充実した日々を送っている事が察せられて
良かったんじゃないかという気がします。
まぁ、駆け足っぽくなってしまった原因は分かっていて、
話の腰を折る蛇足なエピソードが8話以降多かったからなんですよね。
特に、これって盛り込む必要があったのかな?と思ったのは、
朝陽の高階フィルとの交換条件にまつわる話。
藍子(原日出子)が終盤で
「ご本人が言い出してご本人が撤回した。ただそれだけの事です。」と言っていたように、
彼女はそもそも、玉響に恨みを長年抱いているキャラとして描かれていなかったですし。
対戦相手である三島の父・光太郎(加藤雅也)にしても、
玉響に対して敵対心を持っているというよりかは、ただ単に自分の信念を貫いている音楽家。
唯一の悪役である本宮(津田健次郎)は、小悪党の立ち位置にしか過ぎません。
なので、舞台に立たせて下さいと頼み込めば
すんなり了承してくれる訳で(本当にそうなりましたしね…)、
結果的に、朝陽の独り相撲だった…ともとれるこのエピソードで
時間を割く意味がよく分かりませんでした。
オーケストラの部分だけでは話が単調になるだろうから、どうせなら盛り上がりやすい話を…
って事で入れたんでしょうけど、
入れた以上は、藍子の過去を掘り下げるなどして、説得力のあるものにして欲しかったです。
しかし、ここまで勿体ない点を書いてきましたが、良かった点もありました。
まずは、「私たちは、オーケストラです。」で、条件に縛られて舞台に立つ事を拒む朝陽を
必死に呼び止める初音のシーン。
3話では、トラウマを思い出して逃げてしまいたい気持ちに駆られているのを見て、
「僕たちは、オーケストラです。」と朝陽に声をかけてもらい、勇気づけられていた彼女が、
今では後ろに頼もしい仲間を引き連れて、同じような言葉を…っていう所に、
主人公の成長と連続ドラマならではの集大成を感じさせて、
自然と胸が熱くさせられるシーンになっていました。
あとはやっぱり…約7分にもわたる演奏かな。
メインテーマにもなっている曲を演奏し始めたのをきっかけに、
今までのエピソードを順々に振り返りながらも、
曲調に合わせて、団員が”覚悟”を思わせる強い表情を見せたり、
表情が和らいで徐々に笑顔になったりする一連の流れは、
まさしく本番前に朝陽が言っていた「今日(事故に遭って)死ぬかもしれません」
「悔いのないステージにしましょう」が具現化されているようで、
瞬きを忘れるほどの緊張感を漂わせていました。
したがって、王道の良さをきちっと踏襲されている所もあれば、
時に登場人物の多さが短所にも繋がっていて、
もっとそこのバランスがとれていれば秀作になったかもしれない…という
むず痒さが残る作品だったかなぁ…と思います。
でも、「むず痒さ」と書いたのも、
応援したくなるような登場人物の描写の積み重ねが上手いのと、
役者さんとの相性が抜群だったからで、
そうでなければ、本作に抱く印象は大きく違っていたかもしれません。
後日談も見たかった…という気持ちに変わりはありませんが、
現在進行形で終わったって事は、続きの話が書ける可能性が高いって事にもなりますよね。
この枠のドラマは、何年か後にSPドラマとして帰ってくるパターンも多いので、
本作の”その後”もSPで見てみたいです。
その際は、対決じゃなくて、高階フィルとのコラボ演奏なんていう展開もアリかも…?
と思っております。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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