やはり前回から形が定まってきて、見やすくなりましたね。
トラブルが勃発し、親子関係にヒビが入りそうな所を
トラコ(橋本愛)が介入してまるっと解決する…というやり口は
同じ脚本家の過去作「家政婦のミタ」と似てはいるものの、
今回は、前回では少し欠けていた”家庭教師らしさ”が垣間見えた内容になっていました。
主人公の設定が特に活かされていて面白かったのは、
智代(板谷由夏)が遺書を何度も添削してもらうくだり。
仕事で書類を作る時に、商品をアピールする文章を考えたり、
印象に残った映画や本、行った場所の感想を日記に書き残したりする人は多いかもしれませんが、
それも画面に向かって取り組むだけで終わるだろうし。
そもそも、大人になってから「自分の気持ちを自由に紙に書き起こす」なんて行為は
中々しないだろうなぁ…と、見ながら思えてしまったんですよね。
トラコが赤ペンで細かく修正を入れる所は、
夏休みや授業参観の際に出される作文の宿題を彷彿とさせて懐かしい。
子供の頃によく指導されていた事を、大人になって一から指導される…という可笑しさは
家族に「お金=人生」を学ばせるトラコだからこそ成せる業ですし、
劇中にもあった「学校では教えてもらえない事を学ぶ」を、
生きていく上で避けて通れない進学・冠婚葬祭・終活といった”通過儀礼“と絡めながら、
表現方法を模索して行っている最中なのだと感じさせる仕上がりだったと思います。
ただ、そうなると、初回から3話まで、子供をターゲットにした話を描く必要性は
あんまりなかったんじゃないかなぁ?って気はするんですよね。
前回の感想でも書いたように、子供と大人で抱えている悩みや不安は桁違いで、
積んできた人生経験にも差がある以上、
大人の話の方がどうしても、社会的なネタを盛り込んで内容も膨らませやすければ
解決方法も幅を広げられやすいから。
母親と子供の話を逆にするか…極端に言えば、前回を初回にした方が(言い過ぎ??)
本作の方向性が早い段階で掴めたのではないかと思ってます。
そりゃあ”家庭教師”…”家庭”を再生させる専門の教師とも言えるから、
子供を教育するくだりを入れてもおかしくはないんですけど…
わざわざ1話ずつ深掘りするほどでもないのかな?というのが個人的な考えです。
トラコが3つの家族に接近する動機に関しては、ここまで焦らし描写が続きましたが、
今回で「お?」と思わせる要素が出てきましたね。
3つの家族の共通点は、みんな感情的になりやすく、
視野が狭くなって、子供を大切にする事を疎かにしがち。
トラコの持っていた紙ペラが、今回智代の添削を厳しく指導した理由でしょうし、
自身の母親に対しての言動からして、どうやら根深い恨みがある様子。
復讐…ですかね?
まぁでも、次回から後半戦でもありますし、
断片的な情報のチラ見せばかりで飽きてしまう前に
そろそろ真に迫る展開があって欲しいものです。
引っ張れば引っ張っただけ「ああ、そうなのね」と思う可能性も高くなるので…(苦笑)
あとは、3つの家族の変化を1つずつ…という構成にこだわらず、
“味変”として、トラコを信頼するようになった3人(3つの家族)が一緒になって
何か行動を起こすような回があっても良いのかもしれません。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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