風間公親−教場0− 8話 感想|「教場Ⅰ・Ⅱ」の面影を感じさせた回。

ドラマ

 

 

前回は…路子(白石麻衣)のプライベートな部分を強調しただけでなく、

風間(木村拓哉)が新人刑事への指導を放棄した(と捉えられる行動をとった)事で

かえって路子単体での台詞量やカットが多くなってしまい、

「マイペースで肝の座った新人女性刑事が主人公の刑事ドラマ」に見えたのはもちろん。

事件パート自体も憶測と後出しジャンケンが著しく、”刑事ドラマ”としても雑な作りで

今までの話の中で最も満足度の低い内容だったのですが…

今回は前回とは打って変わって、最も良質な印象を受けましたね。

 

何と言っても、風間の魅せ方が明らかに違うのです。

個人的には「教場」「教場Ⅱ」を彷彿とさせるほど、

今回で初めて、彼がちゃんと主人公に映りました。

例えば…序盤で風間が後から現場入りしてきて

路子や谷本(濵田崇裕)とやり取りをするシーンがあったんですが、2人を平等に描き、

“風間にとっての部下”である2人と”捜査チームにおいての上司”である風間で

2:1の構図を作る事で、風間の存在感を際立たせていたのもそうですし。

何より、”風間道場”らしく、路子に指導する姿が頻繁に描写されていて、

それに伴い、彼の些細なカットを増やしていたのも効果的だった気がします。

 

そして、いつもお馴染みの「風間に全て見透かされている」

不安や恐怖を生み出す演出も冴えていて…。

一度は玄関に人がいなかったはずが、名越(小池徹平)の動向を映してから

恐る恐るカメラをずらしていったら、風間がいると分かった時のゾクっとした感覚だったり、

終盤の路子への取り調べシーンで、風間が確信を突く言葉を言うタイミングで

寄りと引きでカメラワークに緩急をつけたりしながら、

彼がいかに洞察力に長けた人物であるかを映像&演出で見せていったのが良かったです。

 

で…最後には、相手を想いやる一面も持ち合わせている事を分からせるエピソードまで用意。

前回で、いつもなら前編で交番勤務を推奨するくだりがあるはずなのに、

路子の時だけなぜ…?っていうのが気になっていたのですが、今回のためだったんでしょうね。

捜査情報を漏洩し、薬物絡みの彼氏と同居していた以上(調べが入るはずなので…)、

路子が交番で再起を図れるのは現実的ではないのかもしれませんが、

私はこのオチは中々好みでした。

風間流に言い換えて真似た「何となくだが」という、普段なら絶対言わないであろう発言は、

これからどうして行きたいかはお前が決めろ。俺は陰ながら応援するだけだ…みたいな、

さり気なく背中を押してくれているような彼なりの優しさと洒落を感じさせましたし。

回復に向かいつつある遠野(北村匠海)に「時間はかかるが、復帰出来るそうだ。」と

声をかけてからの交番で働く路子への場面転換も、

彼女の今後を願っているようにもとれて、秀逸な流れだったと思います。

 

そんな訳で今回は、”指導官”として、優れた刑事として、上司として、1人の人間として…と、

風間のいろんな顔を見られた点で充実感を覚えました。

事件パートも、基本は倒叙ミステリーなので、犯行の過程は明かされはするんですけど、

今回は視聴者に「ん?」と思わせるポイントを提示するなどして

いつにも増して親切設計だったのが良く、疑惑が確信へと変わっていく様を

畳み掛けて見せていく形をとっていたのが面白かったです。

 

本当、今回のようなお話が初回から描かれていれば、

脱落者ももう少し減ったんじゃないでしょうかねぇ。

車を使ってのダイイングメッセージとか、学校の銅像の溶接とか、

大皿で体液を全て受け止める…とか、

今となっては、トンチキ要素濃い目だった前半が懐かしいです(笑)

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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Source: りんころのひとりごと。

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