李牧の想像よりも桓騎の強さ、意表のつき方が勝った様子。
謎の布陣を繰り出した理由が「最小の犠牲で時間を稼ぐ」というものでした。
陽が沈み始め、夜に突入していきます。
元野盗連中。
それこそ闇夜を基本として生きてきたような輩を相手に暗がりでの戦闘となれば、趙兵が不利なのは確実でしょう。
李牧の中で始めて完全な想定外が生まれるかもしれません。
桓騎は正攻法で戦う意味がない
確かに桓騎は正攻法で勝利した戦が一つもありませんでした。
そして黒羊ではみすみす機会を失うような戦い方をしています。
問題は「本当に正攻法ではどうすることも出来ずに別の策を用いたのか」というところ。
実際は「単に面白くないから」というヒリつく展開を望んで桓騎は敢えて攻めなかったのではないでしょうか。
それもと「正攻法では勝ちとしては薄い」と考えたのかもしれません。
王翦は「勝ちへの絶対的なこだわり」を持つ武将でした。
しかし桓騎は「面白く勝つこと」を念頭に置いている武将ともいえます。
言葉としては「完全勝利」という話ですが正攻法で打ち破りながら「力で押された」という勝利を目指していないのは確実です。
負けた相手が「くそぉ!そんな方法は戦とは呼べんぞ!」みたいになるのが快感なのでしょう。
蓋と開けてみれば「一番犠牲の少ない方法で勝利」というのが桓騎の基本姿勢とも言えます。
※扈輒のときは本来なら全滅敗北していた可能性があったと考えれば各地で脱走者が出続けた桓騎軍は犠牲者は少なめだったと言えます。
それは桓騎が玄峰を討ったあたりで見えたものとも言えそうです。
桓騎の時間稼ぎで夜となる
桓騎が繰り出した「見たことのない布陣」について。
李牧はこれを残っていない布陣で、使えなかったものなのだと言いました。
更には十字架の先端を狙うことで布陣にある四つの足を食いながら本陣を目指すだけ。
しかし中央が動いて、その足を狙った軍を挟撃するのかと思いきや、戻っていく。
摩論の言葉どおり、いや全ての兵が思ったとおり、動きとして無意味です。
この無意味にこそ意味があったとは誰も思いませんでした。
李牧は「何かあるのか」と布陣について考え、現場の趙兵も「桓騎が何かしている」と総大将の命令を待ってしまいました。
待たせること、時間を稼ぐことが目的と知らずに失われる時間。
そして結果的に陽が沈み、あたりは暗く夜の世界へ。
野盗の集まりは夜に強い
確かに李牧の言う通り野盗の集まりである桓騎軍は「通常の戦には向かない」と言えるかもしれません。
それは弱点の一つでもあるでしょう。
問題はその野盗を取りまとめることに成功した桓騎の存在を甘く見たこと。
統率が取れるはずもない賊の集まりをまとめ上げるには「尋常ならざるカリスマ性と強さ」が必要になります。
結果的に夜が訪れてしまえば野盗であった桓騎軍は水を得た魚のよう動く可能性があります。
少なくとも今戦っている趙兵とは全く違う動きが可能になるでしょう。
この時代は大きな光源を闇夜に与えることが出来ません。
可能なのは月の光と松明程度の火です。
そうなれば「逃げる」にしても「夜襲を仕掛ける」にしても桓騎側に分があると考えて間違いありません。
昼と夜の攻防
昼は圧倒的な武力を準備していた李牧が優勢の戦い。
夜は慣れた桓騎軍が優勢の戦い。
但し連日戦えるようなものではないというのも事実でしょう。
桓騎としても夜の間に目ぼしい武将の一人や二人、可能なら李牧まで刃を突きつけたいところです。
夜襲と言っても桓騎軍も目が暗視スコープのように見える訳ではありません。
夜目がきく程度のものでしょうから倍以上の軍を壊滅させることは不可能です。
そして二日目を耐えられるほどの状況ではないのも分かります。
要するに桓騎としても、この夜こそが全てをかける時間ということになりそうです。
その意味では桓騎もまた陽が昇るときに李牧を討てていなければ、そこで必要な人間を逃がすということはあるでしょう。
それこそ砂鬼を自らの命と引き換えに脱出させることもあるかもしれません。
史実では宜安を占領した後に敗北する
史実では一度桓騎は宜安を占領しています。
その後で趙では始めて李牧が総大将に任命されて南下を始め趙の全軍を持って戦に望みます。
桓騎は敗北して逃走、そこで李牧に討たれる(逃げるとも言われる)とされています。
今回の軍の規模から考えて、この戦が桓騎にとって最後の戦になるのだと思います。
但しこの戦では驚異的な包囲網から一部が離脱して全滅を免れて秦国へ逃げました。
それが飛信隊と楽華隊だけになるのか。
それとも桓騎が砂鬼あたりを逃すのか。
このあたりが気になるところでしょう。
当然、まだ桓騎は李牧の想定外のもとで戦いを繰り広げることになるはず。
それでも何となく桓騎軍が全滅して終わりという終幕になるとは思えません。
少なくとも桓騎の思いについても、主人公である飛信隊の信が何かしら前向きな要素として取り入れていくのではないでしょうか。
桓騎の本当の話を生き残った砂鬼が信にする、それこそ怒りの話でしょう。
場合によっては飛信隊に砂鬼の部隊が交ざり合う可能性もあると考えていいかもしれません。
陽が沈んだ後のキングダム726話の流れは今後を左右する重要な局面となりそうです。
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Source: マンガ好き.com
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