ブルーピリオド2話のネタバレを掲載しています。2話では、八虎が先生や美術部から美大の話を聞かされる。そして、八虎は藝大を目指すことを決め美術部に入部することに決める。ブルーピリオド2話の内容を知りたい方はご覧ください。
ブルーピリオド2話のネタバレ
東大より難しい大学
八虎が「「美術は文字じゃない言語だから」」「遊びも勉強も手を抜かずにやってきたのになに一つ実感が得られなくて」「でも、絵を描いてそれが人に伝わって、初めて人と話せた気がした」と考えていると、龍二から「放課後空いてない?手伝って欲しいことがある」というメッセージを受け取るが、「ムリ。用事ある。」と返す。すると、龍二が現れ直接「八虎に話あるんだけど、ちょっと借りてもいいかい?」と声をかけてくる。
八虎が「いやいやいや、俺いかねえから」と断るが、そこに「あれ、矢口くん?」「もしかしてユカちゃんの言ってた手伝いの人って」と森も現れ八虎は手伝うことになった。
森が「あれ?もしかして私勘違いしちゃった?」と言うが、八虎は「いや、大丈夫です、森先輩は悪くないっす」と伝えながら「美術部の手伝いかよ」「俺、ヒマじゃねえんだけどなあ」と考えていた。美術の先生も「ああ、ありがとう矢口さん」「他の人たちはドラマCD?を買いに行くとかなんかでこれなくて、助かります」と八虎を出迎え「森さんとユカちゃんは森さんの作品の梱包を」「矢口さんは私と二年生の選択美術の作品の片づけをお願いします」と指示を出していく。
八虎が「あーあ、俺ヒマじゃねえんだけどなあ」「最近サッカーの観戦で外出続きだったから勉強しないとヤベーのに」と考えながら手伝っていると、先生が「矢口さん」「1時間だけでしたけど意欲的で良い絵になりましたね」「混色した青がすごく綺麗です」「青に深みを出すために同じ寒色系の緑や紫を使ったんですね」「赤や黄色を使わなかった理由は何かあるんですか?」と声をかけ、八虎は「ん?んー、いやあなんとなくですかね」「青に青っぽい色使ったら失敗なさそうじゃないですか?」と答える。すると、先生は「なるほど」「矢口さん色環って知っていますか?」「色というのは円環で表せるんですよ」「基本の三原色赤・青・黄を基に構成されていて、ある色の反対側に位置する色はその色を一番引き立て色で反対色というんです」と伝えていく。
八虎が「森先輩の絵で肌の下に緑を塗ってたあの」と口にすると、先生が「あら、よく見てますね」「ただこの反対色、混ぜて暗くてくすんだ色になるんです」「だから、この絵に赤やオレンジが入っていたら深みは出たかもしれませんが、その分青色が鈍い色になってしまう可能性もあったんです」「けど、そんなこと矢口さんは知らなかった」「なのになぜ青を爽やかに見せる色を選べたか」「それはこの絵で表現したかったことが明確にあったから、だから感覚的に選ぶことができた」「素晴らしい感性だと思いますよ」「今後はもっといろんな色を試してみたらいいかもしれませんね」と助言していった。
森が「難しい話」「矢口くんって頭いいの?」と聞くと、龍二が「普通に早慶なら楽勝」と答える。龍二が「先輩、もう大学決めました?」と聞くと、森は「ん?んー、藝大・タマ・ムサかなぁ」「ムサビの推薦で決まれば安心なんだけどね」と答える。森が「ユカちゃんはもう決めたの?」と返すと、龍二は「今日進路希望のプリント渡されましたけどね」「まだ全然」「去年いろんな文化祭行ったけどそもそも学部が決まらなくて」と答える。森が「学部によって試験内容全然違うもんね」「お家のこともあるんだろうけど学部だけでも絞れるといいね」と伝えると、八虎が「そうなんすか?」「学部違うと試験内容が違うって話」「そりゃ文系と理系とかは違いますけど、だって絵が上手い人って何やらせても上手いでしょう?」と言い、何とも言えない空気となる。
龍二が「それはね、プロテニス選手はプロ野球リーグに出れるって言ってるのと同じだからね」「ボール打っててもやることは全然違うでしょ」と呆れると、森が「大学によって違うけど美大の学科はね、油画科・日本画科・デザイン科・彫刻科・工芸科・建築科・芸術学科があってね、どれくらい違うかって言うとこれが日本画科の合格作品、これが油画科、デザイン科、工芸科、彫刻科、建築科」と合格作品を見せてあげる。
八虎が「油画が一番意味不明さがヤバイっすね」「だから美術ってわかんないんですよ」と言うと、森は「私油画受けるんだけどね」と伝える。
先生が「ちなみに、東京藝術大学の絵画科は日本一受験倍率が高い学科なんですよ」「平成28年度の油画専攻の倍率は募集定員55人に対して1058人の応募の約20倍」「しかも現役生はそのうち16人」「つまり、高校生が受かる倍率は実質60倍ですね」「けど、16人は多いほう、現役生が受かるのは毎年大体5人ほど」「ちなみに私のときは倍率だけで約50倍はありました」「二浪・四浪は当たり前の世界ですからね」「浪人しても受かるなら優秀、私が知ってる人で十浪までいます」「まあ、つまりはある意味東大より難しい大学と言えるかもしれませんね」と説明すると、八虎は「へー、漫画みたいっすね」とまだ理解しきれずにいた。
八虎が「学費安くてもヤベーとこじゃないスか」「先輩が受けるムササビ?ってのは?」と聞くと、森が「ムサビね、武蔵野美術大学」「普通入試はその場で描くんだけど、武蔵美は推薦があってポートフォリオと作品面接なの」「この作品は推薦の持ち込み用」と答える。八虎が「美大ってそんな何個もあるんですね」と言うと、森が「芸術分野を扱ってるだけなら全国で80以上あるらしいよ」「東京で有名なのはここらへんかな」と説明してくれる。
さらに、龍二が「他の美大だとこのあたりが有名かな」と補足する。
先生が「さっさ、お口ばかりじゃなくて手も動かしてくださいね」「矢口さんも片づけ終わったら描きましょうか」と言うが、八虎は「え、描きませんよ」「帰って勉強しなきゃいけないんで」「はい、これで全部」と片づけを終え、先生が「矢口さん、いつか完成するといいですね」と伝えるも八虎は教室を後にしていった。
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時間の無駄
家で勉強に励む八虎が「絵を褒められたのは確かに嬉しかった」「でもやっぱ思っちゃうんだよなあ、お絵描きって趣味でいいんじゃないの?」「プロ目指さなくても美大にいかなくても絵は描ける」「ガチでやる意味ある?」と考えていた。
八虎の父親が野球のテレビを観て「これ決まるぞ」とつぶやくのを見て八虎は「父さんは野球を見てるとき自分のことみたいに真剣な顔をする」「そんで、そういうとき大抵母さんは少し機嫌が悪い」と感じていた。
母親から「ねえやっくん、うち私立は無理だから頼むからちゃんとしたとこ入ってね」と言われると、八虎は「わかってる、わかってる」「いきたい大学もないしいってやりたいこともないけど、やっぱこの辺りが座りがいい」「少し高めの社会のレールの上」と考えながらも授業中に絵を描いていた。
純田から「わり、シャー芯恵んでくんない」と不意に言われると、八虎は絵を描いたノートを隠し「見られたら即死モンですけどコレ」「下手が一回褒められたくらいで何調子乗ってんの?」「バレてねーよな?あー、焦った」と感じていた。
弁当を食べる純田が「やっぱ褒められたのが相当ヤバかったんかなー、選択美術で青い絵描いてたときの」と言うと、八虎の友人たちは「へー、八虎が絵をね」「しかも世界史の時間よ」「八虎点数厳しめの授業は超真面目に受けんのに」「選択美術んとき涙目なってたしマジで相当だったんだろ」「よかったじゃねえか、あいつ無趣味っつーか打ち込めるもんなさそうだったし」と話していた。
純田が「それなー、あんな勉強できんのにさ、達観してるし」と言うと、友人が「八虎そっちの道いったりしてな」と言い、そこに「なんの話」と八虎も合流する。
「進路希望どうした?純田は就職だったか?」と聞かれると、純田は「ああ、弟は大学行きたいみたいだし、親父ともそういう話になってる」と答える。八虎が「恋チャンは?」と聞くと、恋チャンは「俺は大学行ける金も頭もねえからなあ」「けど、こないだ白いスーツのおっさんに「俺んとこで働け」って名刺渡されたぞ」と答える。
友達が「俺はノープランマン」「大学いってやりたいことなんかある?フツー」「なんのために勉強してんのって受験のためだったしさ」「でも、いっとかないと将来怖いしなーみたいなー」と言うと、八虎は「わかるな」「ノルマをクリアする感覚で何とかやってるけど勉強は苦しいよ」「でも、苦しいほうが人より高く飛べるだろ」「だから、楽しいなんて怠慢だ」「だから、こんなの時間の無駄だ」「時間の無駄だって」「時間の無駄」と考えながらも家に着くとスケッチブックに絵を描き始めていた。
八虎は「なんだろう、もっと上手く描ける気がしたんだけど何がいけないんだこれ?」「本当に美術が才能の世界じゃないなら、俺でも少しはやれんのか?俺でも」と考えるようになっていた。
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俺の心臓は今動き出したみたいだ
八虎は「すみません、ちょっとだけ見てもらえませんか?」と美術の先生の元を訪れていた。
先生が「あら、いっぱい描きましたね」「これはどこからの景色ですか?」と聞くと、八虎は「家の窓から」と答え、先生は「うん、いいわ、すごくいいです」「家の形なんか難しいのによく捉えようとしてるし好感が持てますよ、このティッシュ箱もいいですね」と褒めていく。
八虎が「あの、上手くなるためのアドバイスが欲しいんですけど」と言うと、先生は「例えばこの絵、ここをこうするだけでかなり立体的に見えるんじゃないでしょうか」とアドバイスする。
八虎が「えっ、あれ本当だ、何これ!?」と驚くと、先生が「この教室の風景も人間を同じ大きさにするよりも遠くにいくほど小さくなる方が奥行きが出ると思いますよ」「これは遠近法って言ってね、大きく分けて8つくらいあるんですが」と8つの技法を教えてくれる。
八虎が「多いっすね」と言うと、先生は「ああ、全部覚えなくていいですよ」「箱の形のものは一度透明な箱として描いてみるとわかりやすいです」「手前は長く奥にいくほど短くなる」「大きさや距離を表すときの手助けになるのが遠近法」「何が手前にきているか、何が遠くにあるか次はそれを意識して描いてみるといいですよ」と伝える。先生が「でも、この風景の絵なんかいいですよ」「青い絵は未完成だから良いのかと思っていたけど、作った本人が好きで楽しんで情熱を込めて作ったものってね、それを見た人も楽しくなっちゃうんですよ」「これはキレイ事じゃなくて本当に」「逆にどんなに技術があっても情熱のないものは人の心に響かないんですよ、また見せてくださいね」「さ、もう暗くなるから帰りましょう」と伝えると、八虎は「先生、絵って趣味じゃダメですか?」「食べていける保証がないなら美大にいくメリットってなんですか?」と疑問を口にし、先生は「そうねえ」「なら、どうして普通の大学なら食べていける保証があるんでしょうか?」「今は東大生も就職が難しいと言われる時代ですよね?」「なら一芸持ってる美大生はある意味有利かもしれませんよ」「それに案外知られてないみたいですが、有名美大になると大手企業から説明会にきてくれることもあるんですよ」「大学では教員免許や学芸員免許も取れますしね」「まあ、君が言いたいのは画家や作家として食べていけないってことなんでしょうけど」「前にも言いましたが日本国内で作家作業だけでやっていくのは非常に難しい」「しかし、そもそも自由業のリスクはどの職業にもつきものじゃないでしょうか」「美大にいったからって食べていけるわけではありませんが、美大にいくことで他の作家より有利になることもありますよ」「なぜなら美大にはネームバリューと環境があるから」「ネームバリューがあればコネも作りやすいし、コネがあれば自分の作品をより多くの人に見てもらえる可能性がある」「大学にいけば同年代の人たちの作品や制作にも直に触れられます、資料や機材も充実しています」「実際、有名な作家は美大を出てることが多いんですよ」「でも、だからと言って美大にいかなきゃ絵が描けないわけではないし、趣味で描く絵にもノビノビしてて良い作品はたくさんあります」「だけどね、「好きなことは趣味でいい」、これは大人の発想だと思いますよ」「誰に教わったのか知りませんが、頑張れない子は好きなことがない子でしたよ」「好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?」と伝えていった。
八虎が「俺、正直今揺らいでて」「でも、確信が持てなくて」「美大って、俺入れると思います?」と聞くと、先生は「わかりません」「でも、好きなことをする努力はね、最強なんですよ」と正直に答えていった。
八虎は「俺っ、明日入部届け持ってきます」と伝え「うちの経済状態じゃ私立なんかまず許してもらえない」「藝大一択」「はあっ、やべえば、心臓ドクドクいってる」「でも、今までずっと生きてる実感が持てなかった、あの青い絵を描くまでは」「俺の心臓は今動き出したみたいだ」「実質倍率200倍東京藝術大学の入学試験まであと650日」とワクワクしていた。
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Source: サブかる
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