中央の王翦軍の敗退。
これが決したことで連合軍は実質的に勝利を収めるのがほぼ不可能となりました。
さすがに今の超劣勢を覆すほどの秘策を李牧と司馬尚を前にして王翦も考え出すのは困難でしょう。
後はどれだけ犠牲を少なく撤退できるかです。
実際に史実では強烈な敗北を喫することになるのがこの番吾の戦でした。
そこから更に秦国は悲惨な状況に追いやられるのですが、それに至る前に処理する問題が多くあります。
飛信隊は状況を見て下がる
現状は右翼を飛信隊が押し留めていますが、ここに李牧か青歌の軍が出てくれば、ひとたまりもなく壊滅することになります。
ただ即座に逃げ出しては、今逃亡中の王翦まで刃が届く可能性も出てくるでしょう。
趙軍の動きを良くみながら、少しずつ下がるような方法をとっての撤退となるのか。
但し王翦は亜花錦に対して「復活」という言葉を使って思案している事実を伝えていました。
このまま軽々に撤退して終わりとはならないのかもしれません。
もし中央を僅かながらも復活の兆しを捉えるとすれば、王賁率いる玉鳳隊との合流があってのものでしょう。
玉鳳隊を仮の中央軍とする
王翦軍は壊滅しました。
しかし王賁が連れ出していた玉鳳隊と王賁本人は残っています。
この玉鳳隊の僅かな数を仮の中央としながら、右翼と左翼の情勢を見て復活を考える可能性はあるのでしょうか。
少なくとも今の青歌軍と李牧軍が動き出せば、双方ともに壊滅の可能性が出てきます。
雁門の面々で揃っている趙右翼に李牧軍が入り、青歌軍が飛信隊のいる左翼に入れば、これはもう撤退しかありません。
ただ李牧は現状で必要だった王翦の首まで届かなかった事実をどう受け止めるか。
王賁を中心とする軍によって中央が少しでも息を吹き返しているとすれば、単純に左右に散って残りの戦局を終わらせれば良いものではなくなるでしょう。
ここで王翦を討てなかったことが、この戦の終局で李牧に汗を流させることになっていくのか。
それとも青歌が思わぬ被害を受けることになるのか。
何もせずに、このまま終わるとは考えにくい王翦率いる秦国連合軍。
まだ最後の見せ場を作るのではないかという気がしてなりません。
ちなみに李牧は後に王翦の謀略によって処刑されるところまで史実では進んでいくので、本当にこの場で首を取れなかったことが運命を決めることになったとも言えそうです。
撤退するとしてもキタリたちが問題
現実的には連合軍の敗北が決したような形ではあります。
しかしここには六大将軍の一人楊端和が健在。
兵力差から、さすがにここからの巻き返しは不可能でも簡単に落ちない戦いはするでしょう。
また李牧が危険視した李信も生き残っており、それと同じ若き力を有する王賁も健在。
実際に総大将王翦の首も取れてはいません。
更に言えば撤退するとしてもキタリは奥地の番吾まで入り込んでしまっており、それを見捨てることもしないのではないかという気がします。
キタリがもし番吾を落すことに成功すれば、この状況も少し変化していくのか。
ただどれだけ状況を好転的に考えたとしても、今の戦局が「秦国勝利」にまで届く可能性は万に一つも無いと言って良いでしょう。
お互いに消耗戦は避けたい
秦国軍のほぼ敗北が決している中での消耗戦は避けたいところ。
王翦が何を思うのかによりますが、仮に王賁と玉鳳隊と合流できても、これで中央に君臨するのは実質的に不可能でしょう。
また飛信隊と合流したとして、その両軍を元に右翼と元の中央、つまり青歌と対峙するのも現実的ではありません。
このまま姿をくらませて青歌に自らを追わせる方が全体の撤退としては可能になるようにも思えます。
今回の戦で亜光と田里弥の死は確定しています。
趙側ではジ・アガの死亡。
糸凌については不明。
関常や亜花錦も不明となっています。
おそらく関常も亜花錦もなんとか離脱して王賁との合流を果たすのではないかと思われます。
王翦はこの敗退の形をどう作りながら戦の落とし所を見つけていくのか。
鄴とは異なり、圧倒的な敗北をしてしまった王翦。
李牧と青歌の強さを知り、最終的には邯鄲攻略の時に智謀を張り巡らせることになります。
負けたことが大事というスラムダンクの山王ではありませんが、確実に王翦を一つ成長させた戦いであったことは間違いないでしょう。
またキングダム795話の情報が出次第、改めて記事を更新していきます。
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Source: マンガ好き.com
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